投稿日時:2015年6月19日 カテゴリー:コラム
音楽活動しているほぼ全ての人が、「自分の音楽を聴いて欲しい」と思っているでしょう。
更にその大半の人が、「少しでも多くの人に聴いて欲しい」という気持ちではないでしょうか?
尚かつ何度も何度も聴いて欲しいと。
しかし、その努力をしない人は多いです。
特に、特定のジャンルへのこだわり、セオリーを破れない、という人が非常に多いです。
歌モノで言うなら、「あんなのロックじゃねぇぜ!」と言い、ただの洋楽志向になっている若者が昔は良くいました。
ではクラシックやジャズはいかがでしょう。
※あくまで下積みの音楽家での例えです。「収益が出る」という話でもありません。
<クラシック>
演奏会、他者のサポート、結婚式や市町村含めたイベント演奏など、活動範囲はありますが、クラシック以外の演奏はしない姿勢でいるなど、Popsの人間よりは腰の重い人が多いです。
この状況でホールでの演奏会のみを活動とすれば、お客様は1回の演奏で約100〜1000人。
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下積み時なので百名規模の会場で年に数回という事もあります(1回もできない人もいます)
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仮に年3回とすると、300〜900人未満。
ホール限定にするとかなり厳しいですが、バンドでいう対バンでもクラシックは会場が大きいので人数を稼げるのが特徴(これはPopsとは大きく違う点ですね)。ここに、イベントなど細かく動けば累計1000人は現実的(もちろん1000人未満も非常に多い)。
しかし、クラシックではオリジナル曲を持たない人もいるので、CDなどで聴いてもらえない分、
自分の音を聴かせた回数=演奏会数、になりやすいです。
動画投稿していれば視聴数が加わりますが、聴いてもらう回数に着目するとかなり少ない数字です。
<ジャズ>
バーでの演奏が多いジャズ。
座席数は約10数人〜30人とします。
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常に満員とは限らず、15人の前で月6回演奏と過程。
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月に90人に聴かせた計算。
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常連客を「人数」と考えると実際は少し減少。
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演奏を聴かず騒ぐ酔っぱらいが多い事もあり、それを数に含めなければ更に減少。
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年間、バーだけで1000人未満。
月に6回もやれない演奏家も多いので、もっと少ないのが現実的。しかしイベント出演時のお客様も加えると1000人に聴いてもらうのは可能となります。
こまめにイベントやサポートの仕事をする事の意味は大きいです。
クラシックの方同様、音源制作しないジャズ演奏家はいますので、日常から自分の音をリピートされにくい側面はやはり見受けられます。
<聴いてもらえない現実の大きさ>
聴いた人が多ければ良いわけではありません。
実際、ただの人数に意味はなく、固定ファンの方が当然重要です。良い!と思ってもらえなければ意味はないのですから。
しかし、多くの人に届けないと見えない事があります。その感動は言葉では言い難いものです。
少なくとも、多くの人に音(感動)を届けられた喜びは、ジャンルへのこだわりを容易く超えていきます。
聴いてもらえない事が原因で辞める人が無数にいる事を考えても、「聴いてもらう努力」をしないといずれ自分の身に返ってきます。何より、「多くの人に聴いてもらいたい」と思っているのだから、努力をためらう必要はないですよね。
例えば、ジャンルを変えなくても「見せ方」を変える事で大きく変わる事もあります。
聴いてもらう努力は、音楽家の仕事の1つではないでしょうか。